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電気の引き込み線とは?電気引き込み線の種類や工事方法・費用・注意点などを解説

2024年01月11日

私たちの暮らしに電気は欠かせないものです。

ところで、建物の種類や大きさなどによって、電気を引き込む「引き込み線」の種類や工事費用などが大きく異なることをご存じでしょうか。

実は、引き込み線にはいくつかの種類があり、種類によって工事方法も費用も違ってくるのです。

そこで、この記事では電気の引き込み線の種類や引き込み工事の方法、費用などについて詳しく解説します。

ぜひご参考にしてください。

電気の引き込み線とは?電気引き込み線の種類や工事方法・費用・注意点などを解説

電気の引き込み線とは

「引き込み線」とは、電柱から軒先などに設置された赤や黄色のチューブがついている「引込線取付点」までの部分のことをいい、電柱から家などに電気を送るのが役目です。

発電所から50万Vもの電気が電線で運ばれ、変電所で電圧を落として家などに供給されます。

電気の流れは以下のとおりです。

⓵発電所→②超高圧変電所→③一次変電所→➃二次変電所→⑤配電用変電所→⑥柱上変圧器→⑦引き込み線→⑧家庭など

なお、50万ボルトという高圧の電気を流すのは、途中で送電のロスを減らすためです。

電気の引き込み線の種類

引き込み線には2種類のものがあり、建物によって使い分けています。

1.架空配線

電柱から家などへ電線を通して電気を伝える方法

2.地中配線

施設近くに引き込みポールを建てて電気を引き込む方法

電気の引き込み方法

電気の引き込み方法は以下の4つの種類があります。

1.単相2線式

100Vまでの電圧を通すことができるよう、2本の電圧線で1セットとしたものです。

日本では100Vの家電がほとんどであり、低圧で安全性も高いので、日本の家に使用される最も一般的な方法です。

電流は最大で60A、通常で30Aか40Aで使用可能で、小さな店舗や住宅などに適しています。

2.単相3線式

電圧線2本と間に中性線一本をセットにしたもので、20Vにも100Vも通すことが可能です。

中規模な店舗や戸建て住宅、オフィスなどによく見られる引き込み方法になります。

3.三相3線式

200Vの電圧を通すことができるよう電圧線を3本1セットとしたもので、公共施設やモーターを使う工場などに適しています。

しかし、最近は単相3線式で代用できることが多いため、採用されるケースは少なくなってきているようです。

4.高圧引き込み

高圧受変電設備であるキュービクルなどで6000Vの高電圧を下げてから伝える方法で、工場や大規模なビルなど高圧電力を必要とする施設に適しています。

最大6000Aまで使用可能ですが、一般的に1000Aか2000Aが使われることが多いようです。 

電気の引き込み線工事の種類

電気の引き込み線の工事の種類にもいくつかの方法があります。

それぞれご説明しましょう。

1.PAS工事

住宅設備に電気のトラブルが発生したとき、気中負荷開閉器(PAS)という装置を使って、近隣住民が停電を引き起こさないようにする方法です。

2.引き込み柱工事

建物内に高圧電線から電力を流すために電柱を建てる方法で、建物が電柱から遠い所にある場合などに用いられます。

電柱は、建物から高圧電線までの距離、地形、周辺の状況などによって設置場所が決定され、場所によっては、道路使用許可や建築確認が必要です。

3.低圧引き込み工事

変圧器で電柱からの高圧電力を低圧電力に変圧して伝える方法で、電気設備の容量や配線距離によって電線が選定されます。

ちなみに、電柱の所有者は誰になるのでしょうか。

電力会社、NTTなどの通信会社が所有者となる場合と、個人が所有者になる場合とがあります。 

見分け方として、道路敷地に建てられるものは電力会社や通信会社が所有者で、建物の敷地内に建てられるものが個人所有です。

電気の引き込み工事に必要な期間

時期にもよりますが、電気の引き込み工事に必要な期間は1カ月~3カ月ほどです。

工事が完成するまでの流れは以下のようになります。

⓵事前打ち合わせ→②電力会社との工事方法の打ち合わせ→③建設会社や設計会社と打ち合わせ→➃電力会社へ申込→⑤引き込み工事

電気の引き込み工事の費用

引き込み費用は、工事する場所や電線の長さ、施工方法などによっても違いますが、おおむね10〜20万円が相場です。

高圧電力の工事になると、数百万円といった費用が発生します。

ざっくりと一般的な住宅でおおむね10万円、比較的大きな建物でおおむね100万円~200万円が相場です。

適切な工事費用を判断するには、複数の見積もりを取って比較検討することが必要になります。

電気の引き込みの際の注意点

電気の配線の引き込み工事は、電気工事士などの資格を持つ人でなければできません。

そのため、専門業者に依頼する必要があります。

無資格で工事すると、電気工事法により処罰される可能性がありますし、火災や感電などのおそれもあるでしょう。

また、電力会社が法律に基づき、4年に1度の無料点検を行っています。

無料ですし、安全のためにも必ず点検を受けるべきです。

しかし、電力調査の費用をだまし取ろうとする悪徳業者も横行しています。

不審に思った時は、身分証明書を提示してもらったり、最寄りの電力会社に確認したりしましょう。

まとめ

この記事では、電気引き込みについて解説してきました。

電気の引き込み工事は、安全で快適に暮らすために大切な工事ですが、基本的に電力会社や電気工事の業者にまかせておけば問題ありません。

しかし、屋内配線は、管理や点検を怠ると漏電や火災の原因となるため、個人が責任を問われることがあります。

そのためにも、電力会社や業者選びは大切です。

電力会社を偽った、悪徳業者が電気調査費用を請求するケースもよく見られますので十分注意しましょう。