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変電設備とは?変電設備の種類、構成などについて詳しく解説
2023年10月02日
電気を使用するために欠かせない設備として、変電設備があります。
ほとんどの場合、変電設備はビルの屋上や工場の敷地内に設置することが多く、街中で見かけることは多くありません。しかし、中には高圧注意と書かれた金属製の施設を見たことがある方もいるのではないでしょうか。
変電設備は、私たちが安心して電気を使うためには欠かせない設備です。
この記事では、変電設備とはどのような設備なのか、変電設備の役割、変電設備の役割、変電設備に酒類など、変電設備に関するあらゆることについて解説します。
この記事を読めば、変電設備の重要性について理解ができます。
もし変電設備を見かけるようなことがあれば、この記事を思い出し理解を深めることをおすすめします。
変電設備とは
変電設備とは、発電所で作られた電気を送電線から受け、電圧を下げる設備のことをいいます。
発電所から電気を送る場合、電圧が低いと十分な電気を送れません。
そのため、電圧はかなり高く、50万ボルトもの高圧な電気が電線を伝って送られてきます。
一方で、実際に電気を使用する際には、それほどの電圧は必要ありません。
むしろ、高圧な電気は機器の故障のもとになりますし、そもそも高圧電流は安全面で問題があります。
そのため、実際に使用する際には電圧を下げる必要があります。
これが変電設備の大きな役割です。
電圧以外にも直流電流を交流電流に変換したり、抵抗値を下げたりする役割も担っています。
このように、電気を使用するうえで欠かせない役割を果たすのが変電設備です。
変電設備の種類
変電設備は大きく以下の2つの種類があります。
・開放型受変電設備
・閉鎖型受電設備
開放型受変電設備はオープン式と呼ばれ、フレームに対して各種の変電装置が取りつけられています。
オープン式のメリットは、各種装置や電線部分を直接確認できるため、保守・メンテナンスがしやすい点です。その一方で、装置や電線がむき出しの状態になっているため、耐久性が弱く、天候といった外部の要因によって故障が発生しやすい点がデメリットです。
一方、閉鎖型受電設備はキュービクル式と呼ばれていて、金属製の大きな設備の中に変電装置と電線が収容されています。普段私たちが目にするのはキュービクル式が多くイメージしやすいのではないでしょうか。
キュービクル式の場合、狭い場所に機器がまとめられているためメンテナンスがしにくいというデメリットはあるものの、耐久性にすぐれています。外部が金属製の構造物で覆われているため安全面でもメリットがあります。
変電設備の構成
ひとえに変電設備といっても、さまざまな装置から構成されています。
主な装置には次のようなものがあります。
・区分開閉器
・断路器
・遮断器
・変圧器
・保護継電器
・制御装置
・計測機器
・低圧配電設備
主な装置は変圧器ですが、それ以外の装置も変電設備を稼働させるためには必要不可欠なものばかりです。
なお、変電設備の耐用年数は基本的には15年程度です。ただし、一部の装置については25年ほどの長期間の耐久性を持ちます。
受電設備の法定点検
耐用年数が長い受電設備ですが、法定点検が義務づけられています。
電気を扱う場合には、特に安全面での配慮が必要なため、定期的に点検を行う必要があるからです。
この点検は電気事業法によって定められており、法定点検を怠った場合には罰則が設けられています。
定期点検は月1回実施する月次点検と、年1回実施する年次点検に分かれます。
月次点検で確認する項目は以下のとおりです。
・目視点検
・漏えい電流測定
・電圧・負荷電流測定
・フレーカー温度測定
一方、年次点検では以下の項目について点検を行います。
・絶縁抵抗測定
・接地抵抗測定
・保護継電器設備点検
・停電状態での電気設備点検
会社に勤めているとき、時々「今度の日曜日にビルの法定点検を予定しているので休日出勤はしないでください」との通達を受けた経験があるかもしれません。このときの点検は変電設備の法定店をしている場合が多いのです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
ここまで、変電設備について詳しく解説しました。
改めて整理すると、変電設備とは発電所で作られた電気を送電線から受け電圧を下げる設備です。
変電設備は開放型受変電設備(オープン式)と閉鎖型受電設備(キュービクル式)の2種類あり、一般的にイメージされているものはキュービクル式で事業所や建物の屋上でよく見かける設備です。
それぞれの設備には、それぞれメリットとデメリットがあり、使用用途によって使い分けられています。
変電設備に使用される装置には、遮断器、変圧器、制御装置など数多くのものがあり、どの装置も変電するためには必要不可欠です。
耐用年数は15年から25年程度と耐久性は高いものの、安全面から月1回ないしは年1回の法定点検を欠かすことができません。
変電設備は身近に見かけることはあまりないものの、私たちの生活においてはなくてはならないものです。
生活の中でビルや商業施設などを利用する際には、「この建物にも変電設備があるんだ」とふと思い出し、電気についてより興味を持ってみるのもよいかもしれません。