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第二種電気工事士とは?仕事内容など詳しく解説します
2023年10月21日
電気工事を行う際には、電気工事士が施工しなければなりません。
ひとことで電気工事士といっても、正確には第一種電気工事士と第二種電気工事士に分かれます。
それぞれ施工できる電気設備に違いがありますが、私たちの生活に馴染みがあるのが第二種電気工事士です。
第二種電気工事士は、主に住宅の配線工事やエアコンの取り付けなど身近な電気工事を請け負うことが多いからです。
この記事では、第二種電気工事士とはどのような職種なのか、第一種電気工事士と第二種電気工事士の違い、第二種電気工事士ができることについて解説します。
この記事を読めば、第二種電気工事士について深く理解し、第二種電気工事士がいかに私たちの生活に関係しているのかがわかります。
第二種電気工事士とは
第二種電気工事士とは、電気工事全般に従事する作業員のことをいいます。
建物の電気配線の設計、施工、保守を担当し、住宅、ビル、工場、商業施設など、あらゆる建物の電気設備の工事を行います。
電気に関するあらゆる知識を持ち、電気工事に欠かすことのできない存在です。
第二種電気工事士と第一種電気工事士の違い
第二種電気工事士と関連する資格として、第一種電気工事士という資格があります。
同じようなカテゴリーに属する資格ですが、その内容には違いがあります。
ここでは、第二種電気工事士と第一種電気工事士の違いについて解説します。
第一種電気工事士ができること
第一種電気工事士は第二種電気工事士の上位にあたる資格です。
第二種電気工事士の業務内容に加えて、以下のことが許可されます。
・大規模施設の電気工事
・送電線路の電気工事
第一種電気工事士はビル、工場、商業施設といった大規模な電気工事の業務ができます。第二種電気工事士が比較的小規模な電気工事に限られる点に比べると、この点が大きな違いです。
さらに、大規模な送電線の工事に従事することもできます。
第二種電気工事士に比べ、作業できる範囲が広がったと捉えれば間違いありません。
第二種電気工事士ができること
一方、第二種電気工事士の作業範囲は小規模に限られたものになります。
例えば、以下のような作業が該当します。
・住宅の屋内配線工事
・リフォーム、DIYといった個人的な電気工事
小規模な電気工事しかできないものの、日常的に必要な電気工事がひととおりできる点が特徴で、この資格を持つことで生活における電気に関する工事はまかなえます。その他にも、鉄道電気工事に携われるのも第二種電気工事士の特徴です。まさに電気工事の基本となる職種なのです。
第二種電気工事士の仕事内容
先ほど解説したとおり、第二種電気工事士は以下の工事に携われます。
・建築電気工事
・鉄道電気工事
建築電気工事
建築電気工事は、主に住宅、施設などの工事全般を行います。
具体的には以下のような作業を担当します。
・外線配線工事
・屋内配線工事
・冷暖房設備工事
・ビル管理
外線配線工事によって電線から電気を取り込むまでの部分を施工し、屋内破線工事によって建物内部の配線を行います。特にエアコンの取り付けや取り外し、メンテナンスは冷暖房設備工事として施工します。
その他にもビルメンテナンス業務も請け負うことがあります。
鉄道電気工事
鉄道電気工事は、鉄道が安全に運航できるように電気関連設備の施工、管理を行います。
具体的には以下のような作業を担当します。
・変電設備工事
・線路工事
・駅や駅構内の各種電気設備工事
電車を動かすためには電気が必要となりますが、発電所から送られてきた電気は変圧しなければなりません。
このために必要な設備が変電設備と呼ばれるもので、電気工事士はこの設備の点検やメンテナンスを担当します。
電車に電気を送るための電線工事を始め、踏切や駅構内の各種電気設備の新規構築、メンテナンスなども行います。
第二種電気工事士に必要な資格
第二種電気工事士になるためには、資格を保有しなければなりません。
具体的にはECEE 財団法人 電気技術者試験センターが運営する第二種電気工事士の試験を受け、合格する必要があります。
試験は学科と技能からなり、基本的な知識を問われる他に、実際に配線作業を行う実技で審査されます。
難易度はそれほど高くなく学科試験で約60%、技能試験で約70%の合格率にものぼります。
高校や専門高等学校の中で実習によってスキルを磨いたことが大きいのですが、一般の場合でもホームセンターで購入した資材を使って技能を磨くこともできます。もちろん無資格で実作業を行ってはいけませんが、はんだ付け、結線、ケーブル作業など基本的なことについては、身近に購入できる資材を使って練習ができるのです。
出典:ECEE 財団法人 電気技術者試験センター 試験案内一覧(第二種電気工事士試験)
まとめ
いかがでしたでしょうか。
改めて整理すると、第二種電気工事士は、電気工事に関するあらゆる工事を行う作業者のことをいいます。
対象となる建物は、住宅から大型施設にいたるまで、あらゆる建築物を対象とします。
作業内容は、電気配線の設計から施工、保守と多岐にわたり、大きく建築電気工事と鉄道電気工事を行います。
それぞれの工事はさらに細分化でき、どの工事も電気を使用するためには欠かすことのできない作業ばかりです。
第二種電気工事士になるためには資格が必要で、難易度がそれほど高くないことから、誰でも第二種電気工事士になれます。
このように、第二種電気工事士は身近になくてはならない存在なのです。
もし、ご家庭で電気工事が必要になった場合には第二種電気工事士に作業を依頼し、安全で安心した工事を施工してもらいましょう。